「私って意志が弱い?」いいえ、続かないのには理由があります!科学が証明するダイエット継続のコツ
1. はじめに:なぜダイエットは続かないのか?(科学的根拠)
ダイエットが続かない理由を、心理学・生理学の観点から解説します。
大丈夫!決してあなたの意志が弱いわけじゃないので。

(1) 人間の脳は変化を嫌う
人は現状維持を好みます。これは「ホメオスタシス(恒常性)」という人間の本能の影響を受けるためです。
特に急激な食事制限や運動は、脳がストレスと感じやすいので食べていた頃に戻りたいという反応を起こします。(例:過度なカロリー制限 → 反動で過食)
(2) モチベーションは長続きしない
行動経済学の「モチベーション減衰効果」によると、最初のやる気は時間とともに低下してしまい、
継続できる人は「習慣化」できているとあります。(例:毎朝の歯磨きのように運動を当たり前にする)
つまりモチベーションに左右されないご自分の習慣を付けることが大事になります。
(3) ダイエットの結果がすぐに出ないと挫折しやすい
体重は水分・筋肉量の影響を受けるため、減量が停滞する「プラトー(停滞期)」があります。
「体重」より「体脂肪率・見た目・健康状態」を指標にする方が成功しやすい(研究:Bongers & Jansen, 2016)という方もいます。
また毎日の体重に一喜一憂はせずに、1ヶ月、3ヶ月などを目安にその時に結果体重が減っていれば大成功です。

2. ダイエットを続けるための科学的アプローチ
ダイエットを継続させるためには無理な目標は禁物です。
例えば1ヶ月でマイナス10kgなど非現実的な目標はNGです!
SMARTゴールという言葉はご存知ですか?SMARTゴールを設定すると継続しやすいですよ。
(1) 無理のない目標設定(SMARTゴール)
具体的(Specific):「体重を落とす」ではなく「3ヶ月で3kg減」
測定可能(Measurable):「週3回ジムに通う」
達成可能(Achievable):極端な目標はNG(例:「1ヶ月で10kg減」は非現実的)
現実的(Relevant):ライフスタイルに合った方法を選ぶ
期限付き(Time-bound):「6週間でウエスト-3cm」など期限を設ける
(研究:Locke & Latham, 2002「目標設定理論」)
そしてダイエットはとにかく習慣化することです。
(2) 習慣化しやすいダイエット法
▶ 行動デザインの4つのステップ(BJフォッグ博士の「習慣の法則」)
トリガーを作る:歯磨きの後にスクワット5回
小さな行動から始める:「毎日5分ウォーキング」からスタート
成功体験を積む:「できた!」を脳に記憶させる
自分をほめる:「運動できた!」とポジティブに
実践例:
朝のコーヒーを飲みながら軽いストレッチ
夜の歯磨き前にスクワット10回
食事の写真を撮ることで食習慣を見直す
先ほどモチベーションに左右されないと言いましたが、正直人間なので習慣化するまではある程度のモチベーションは必要かと思います。そこで習慣化するまでのモチベーションを維持をする方法として。
(3) モチベーションを維持する方法
▶ 外的動機 vs 内的動機を理解する(Deci & Ryan, 1985「自己決定理論」)
外的動機(短期的):「痩せたら褒められる」「好きな服を着たい」
内的動機(長期的):「健康になりたい」「運動が楽しい」
➡ 長期的な成功には 「内的動機」 が重要となります。
➡ 「楽しい運動」「好きな食べ物で健康的な食事」 を見つけることが継続のカギとなります。
(例)「ジムが続かない」→「好きな音楽を聴きながらウォーキングに変更」「かっこいいウェアを着る」なども良いかと思います。
またダイエットは楽しいものと脳に覚えさせることも大事になります。
(4) ダイエットを「楽しくする」工夫
ゲーミフィケーションを活用(ポイント制・チャレンジ企画)
SNSやアプリで記録する(Habitica, MyFitnessPalなど)
誰かと一緒にやる(運動仲間・トレーナー)
(研究:Lally et al., 2009「習慣が定着するまで平均66日かかる」)

ダイエットが継続しない一番はやはり停滞期だと思います。
まず停滞期は必ずあるということを前提にダイエットはしましょう。そして対処方法としては。
3. 停滞期や挫折しそうなときの対処法
(1) 停滞期の乗り越え方
停滞期(プラトー)は人として正常な体の適応反応です。なので→ 焦らず続けることが大切となります。
体重以外の変化に注目することが大事になります。(例えばウエストサイズ・体脂肪率・写真比較)
(2) チートデイを活用する(Leaner & Schutz, 2010)
週1回、好きなものを食べる「チートデイ」で停滞打破。ダイエットのストレスも解消します。
ただし暴食はNG!(目安:1日+500kcal以内)
(3) 挫折しそうなときの「仕切り直し戦略」もありです。
挫折するということは目標値が高いかもです。
目標を小さくリセット(「毎日30分運動」→「週2回10分運動」)
短期的なご褒美を設定(「1週間続いたらお気に入りのカフェでコーヒー」)
などもおすすめです。

ダイエットを継続するためには、ダイエットを頑張った記録を積み重ねることもおすすめです。
4. 実践しやすい!ダイエット継続のための習慣チェックリスト
✅ 毎日決まった時間に運動をする(朝のストレッチ / 夜の散歩)
✅ 体重だけでなく、写真やサイズで変化を記録する
✅ 「運動を頑張る」のではなく「日常で体を動かす」意識を持つ
✅ 好きな音楽・動画・アプリを活用して楽しむ
✅ 「できた!」を積み重ねる(自分を褒める習慣)
5. まとめ:ダイエット成功のカギは「続ける仕組みづくり」
科学的に効果のある「習慣化」の手法を活用することが継続の秘訣
短期的な結果にとらわれず、長期的に「健康的な習慣」を身につけることが大切
「続けること」こそがダイエット成功の最大のポイント!です。
ダイエットに成功して素敵な未来を手に入れましょう!
補足:エビデンス(参考文献)
Bongers & Jansen (2016)「食事制限の心理的影響」
Locke & Latham (2002)「目標設定理論」
BJフォッグ「Tiny Habits(小さな習慣)」
Deci & Ryan (1985)「自己決定理論」
Lally et al. (2009)「習慣が定着するまでの期間」